筋肉をつけるための栄養の基礎を学ぼう!【初心者向け解説】

Learn the basics of nutrition for muscle building
筋トレを始めた人

筋肉つけたいけど、どんなふうに栄養を摂ったらいいんだろう。
教えてほしい!

筋肉が太くなること=筋肥大と言います。

筋肥大のための栄養を考えるときに大切なポイントは4つ。

エネルギーバランス、三大栄養素のとり方、栄養をとる頻度、栄養をとるタイミング、です。

エネルギーバランスはプラスにし、食事をこまめにとり、体に常に栄養がある状態にすることが大切です。

今回は筋肥大のための栄養のポイントを解説していきます。

筋トレを始めたばかりの時は種目をどうやってやるかという「運動」の部分に興味があると思います。

ですが、トレーニングは「運動・食事・休養」で成り立つといわれ、運動以外の部分もすごく大切です。

この記事で一緒に栄養について学び、より効果的にトレーニングが行えるようにしていきましょう!

記事の内容
  • エネルギーバランス
  • 三大栄養素のとり方
  • 栄養をとる頻度
  • 栄養をとるタイミング
この記事を書いている人

中学3年生で筋トレを始める

体育学科卒、元ジムインストラクター、ストレングスコーチの資格有(CSCS)

楽しく筋トレできるようになるための知識・情報を執筆中

マサです
目次

エネルギーバランス

Food and scales

エネルギーバランスで大事なことは、次のとおりです。

摂取エネルギーを増やす(摂取エネルギー > 消費エネルギー)

一般的に500kcal多く取るというのがよくいわれる目安。

筋トレ初心者の人の場合は、経験者より筋が早く成長し、その分エネルギーを必要とするため、500kcalより多くとるとより筋肉が成長しやすい。

まず筋肥大のために考えることは「エネルギーバランス」をプラスにすることです。

エネルギーバランスとは「摂取エネルギー」から「消費エネルギー」を引いた量のこと。

これをプラスにすることで筋肥大には大切です。

プラスにするとは、摂取エネルギーを消費エネルギーより多くすることです。

摂取エネルギーは、食事や飲み物から体に取り入れるエネルギーのこと。

消費エネルギーには基礎代謝、普段の活動や運動で使うエネルギー、食事誘発性熱産生というものが含まれます。

簡単に言えば「使うよりもたくさんエネルギー取り入れる」ということです。

なぜエネルギーバランスをプラスにすることが必要か、を説明します。

筋肉の元となる筋タンパク質は常に合成と分解を体の中で繰り返しています。

エネルギーバランスがマイナスの時分解のほうがより進むため筋肥大を制限します。

例えば、こちらの研究では、ウェイトトレーニングの初心者で軽度の身体活動をしている人を対象に高カロリーのサプリメントが筋トレ後の体にどんな影響を与えるかを調べました。

研究では73人の男性被験者をランダムに3つのグループに分けました。

グループ1は高カロリーで高タンパク質のサプリメントを摂取。

グループ2はグループ1と同じカロリー量の炭水化物サプリメントを摂取。

グループ3はサプリメントを取らないグループ。

全てのグループは通常の食事に加えてサプリメントをとりました。

グループ1と2の摂取したサプリメントのカロリーはそれぞれ、

グループ1が約2010kcal

グループ2が約2020kcal、だったそうです。

両方のグループともに約2000kcalを普段の食事に加えて余分にエネルギーをとっていたことになります。

マサ

2000kcalとるって結構多いよね!

トレーニングは3つのグループとも同じメニューをやりました。

スケジュールは、週4回でのトレーニングを8週間。

月・火・木・金でトレーニング。

水・土・日は休みだったそうです。

内容は、ウォーミングアップした後

月・木は「スクワット、レッグカール、ラットプルダウン、EZカール・クランチ」

火・金は「インクラインプレス、アップライトロウ、ベンチプレス、上腕三頭筋プッシュダウン、クランチ」

を行いました。

全てのエクササイズ種目は8レップで4セット、約70%1RMで行われ、重量は徐々に上げていったとのことです。

結果、まず全てのグループで徐脂肪体重の増加がみられました。

徐脂肪体重とは、体重から脂肪量を除いたもの。

筋肉の成長の指標として使われます。

グループ1では平均2.9kg

グループ2では平均3.4kg

グループ3では平均1.4kg

が増加したとのこと。

この研究からいえるのは、エネルギー多くとった2グループでは徐脂肪量の増加が多かったことから「エネルギーを多く取ること」が徐脂肪体重の増加につながるということです。

ただ、この研究はトレーニング初心者を対象としたもので、トレーニング経験者の場合では少し変わってきます。

トレーニング経験者だと大量にエネルギーを多くとった場合、徐脂肪体重ではなく、体脂肪が増えてしまうという研究もあります。

なぜなら初心者の人が筋トレをすると、経験者よりも筋肉の成長が大きく速いためエネルギーを多くとっても脂肪量は増えにくいですが、経験者が同じようにエネルギーを多くとってしまうと、筋肉ではなく脂肪の蓄積へと使われてしまいます。

こういった知識を踏まえて、一般的に筋肉を成長させる・体重を増加を狙う時には1日500kcal多く取ることが推奨されています。さらに、もしあなたがトレーニング経験者で脂肪が増えるのを抑えながら筋肉の成長を望むなら500kcalよりも少ない、200kcal〜300kcalだけ多く摂取するやり方もあります。

実際僕も筋肥大を目的にした筋トレを始めた当初、思うように体が大きくなりませんでした

今振り返ると、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることができてなかったんだなと思います。

ただお腹があまり強くないので、なかなか食事の回数を増やすことは難しかったです。

そこで僕がやったのは「フルーツを食べる」ことでした。

間食として、普段の食事の後にフルーツをとること摂取エネルギーを増やすことができ、体を大きくすることができました。

マサ

フルーツは別腹!

もし、体が大きくならないという人がいたら、食事やサプリの他に、こういったフルーツでの間食をとることも考えてみてはどうでしょうか。

三大栄養素のとり方

People in white coats presenting plans on nutrition

エネルギーバランスと合わせて「三大栄養素をどのようにとるか」も筋肥大にとっては大切です。

知っている人も多いと思いますが、改めて三大栄養素について簡単に説明します。

三大栄養素はタンパク質、炭水化物、脂質のこと。

この3つの栄養素が体にエネルギーを与えてくれます。

ビタミンやミネラルなども体の調子を整えたりする働きはありますが、人間の体を動かすエネルギー源になるのはこの3つだけです。

ここからはこの3つが筋肥大に対してどんな働きがあるのか、またどのくらい摂取したらいいかを解説していきます。

タンパク質

筋肥大のためには体重1kgあたり「1.6g〜2.2g」 のタンパク質摂取が目安

タンパク質はアミノ酸がいくつもつながってできています。

ヒトのタンパク質は20種類のアミノ酸でできています。

そのうち9種類が必須アミノ酸11種類が非必須アミノ酸といわれます。

必須アミノ酸は体の中で合成できないので食事から摂る必要があります。

非必須アミノ酸は体内で合成することができます。

必須アミノ酸が1つ不足しただけで、筋肉の合成は阻害されます。

また他のアミノ酸もバランスよくとることが筋肉の成長には必要です。

ちなみに、アミノ酸の中でも「ロイシン」が重要だということがわかってきています。

なぜならロイシンはタンパク質合成を高め、分解を抑える役割するからです。

「筋タンパク質合成のためには一定量のロイシンが必要」ともいわれます。

とはいえロイシンだけとっていればいいわけではなくて他のアミノ酸も摂る必要があるため、結局は「バランスよくとりましょう」という話になります。

筋トレを始めた人

どうやったらバランスがいいタンパク質かどうかわかるの?

タンパク質には「完全」タンパク質「不完全」タンパク質というものがあります。

これらは先ほど紹介した9種類の必須アミノ酸がそのタンパク質に含まれているかを示したものです。

9種類全てが含まれているタンパク質は「完全タンパク質」と呼ばれます。

ゼラチンを除く、全ての動物性タンパク質は完全タンパク質。

植物性タンパク質でいえば、大豆やキヌア、ヘンプシードなどが完全タンパク質で、他の植物性タンパク質は必須アミノ酸が足りていないことが多いです。

そのため、植物性タンパク質のみで普段のタンパク質を補おうとした場合は、いくつかの食品を組み合わせて摂取することが必要になります。

また、タンパク質の「質」はアミノ酸スコアというものでも判断することができます。

アミノ酸スコアは、食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表した指標となるものです。

【森永製菓】プロテイン公式サイト 「アミノ酸スコアとは?」

ある食品に必須アミノ酸がすべて含まれていたとしても、含まれているアミノ酸のバランスが良くないとうまく体の中で活用することができません。

そのため、アミノ酸スコアが高いものを摂取するようにしたり、いろんな食品からタンパク質を摂取することで少ないアミノ酸を補い、まんべんなくアミノ酸を摂取することが必要になります。

たんぱく質の摂取量

結論から言うと、筋肥大のためには体重1kgあたり「1.6g〜2.2g」 のタンパク質摂取が目安となります。

体重が60kgの人であれば90〜132gを1日の食事やサプリメントで摂取していく感じです。

いくつかの本を参考にしましたがそれぞれの推奨量はこんな感じでした。

『骨格筋肥大のサイエンスとトレーニングへの応用』p204表9.3「タンパク質」より→「1.6~2.2g /kg」

『SCIENCE of STRENGTH TRAINING 筋トレの科学』p31「タンパク質」より→「1.6~2.2g/kg」

『NSCAストレングストレーニング&コンディショニング[第4版]』p241より→「1.5g~2.0g/kg」

研究や書籍によって違いはあると思いますが、この「1.6g~2.2g」くらいが目安になってくると思います。

炭水化物

体重1kgあたり「2〜5g」が目安

炭水化物が筋肥大に与える影響としては「炭水化物をとっていないと筋トレのパフォーマンスが上がらない」ということが言えます。

筋トレのやり方や種目などにもよりますが、基本的に筋トレは中強度の運動です。

運動する時、人間はもともと持っているエネルギーだけでは足りないのでエネルギーを生み出しながら運動をします。

そして中程度の運動では主に糖質がエネルギーになります。

そのため糖質を摂取しておくことで、筋トレをより高い強度で行うことができ、その結果筋肉に高い負荷をかけることができます。

マサ

簡単に言ったら「お腹空いてたら力出ない!」ってことだね!

炭水化物の推奨量

こちらも研究や書籍によって違いはあると思いますが、体重1kgあたり「2〜5g」が目安になってくると思います。

『骨格筋肥大のサイエンスとトレーニングへの応用』p204表9.3「炭水化物」より→「3g /kg以上」

『SCIENCE of STRENGTH TRAINING 筋トレの科学』p31、「炭水化物」より→「2~5g/kg」

脂質

1日あたり「1g/kg」が目安の量

脂質は体の機能を整えたり、内臓を保護する役割があります。

また体のホルモンを作る働きもあります。

筋トレのエネルギーとしては糖質が主に働くため、脂質をとることが筋トレのパフォーマンスに直接つながるということはなさそうです。

また、脂肪の取り方が筋肥大に直接関わってくるというような明らかな効果はまだわかっていません。

そのため筋肥大における推奨量のようなガイドラインはないですが1日あたり「1g/kg」程度とることが一つの目安として提示されています。

また筋トレをするときに筋肥大と共に多くの人が達成したいことは「体脂肪を減らす」ことだと思います。

脂肪を減らすことで体を絞ることができますし、体の見栄えも良くなります。

そのため、体重1kgあたり1gの脂質を目安・最低限として、できるだけ普段から脂質を抑えるようにするといいでしょう。

栄養をとる頻度

Plates with various meals on them

1日4回の頻度で食事をとることで、筋タンパク質の合成を最大化することができる

栄養をとる頻度は、体にタンパク質を保つために大切です。

なぜなら、筋タンパク質合成を進めるためには、体に筋タンパクを作るための材料があることが必要だからです。

ただ、とにかくたくさん食事を取ればいいかと言えばそうではありません。

筋タンパク質合成には飽和するレベルがあります。

その状態を「muscle full」と言います。

一度に大量に食事をとるのではなく、1日通してこまめに食事からタンパク質を補給し、筋タンパク質合成を進めていくことが必要となります。

『骨格筋肥大のサイエンスとトレーニングへの応用』では、1日4回の食事が推奨されています。

食事をとったことによりタンパク質同化作用は5〜6時間持続するそうで、1日24時間を6で割ると4。

そのため1日4回の頻度で食事をとることで、筋タンパク質の合成を最大化することができるそうです。

とは言っても、実際は普段の生活や仕事などのリズムによっては4回も食事をとることは難しいと思います。

なので、プロテインなどのサプリメントを使ってタンパク質を補給したり、間食をうまく使って、体にタンパク質を保っていくことを考えると良さそうです。

栄養をとるタイミング

Chicken and salad

タンパク質をとるタイミングとしては「運動直後にプロテインを取ったほうがいい」というのはよく聞きます。

筋肥大を目的としたトレーニングにおいて運動直後の栄養補給が筋タンパク質合成に有効だ、という研究も多いですがあくまで仮説の段階であったり、筋トレ初心者には効果があるけど経験者では同じ効果がないということもあるそうです。

ただ、逆に「運動直後に栄養補給すること」で悪影響があるかと言ったらそれもないため、トレーニング後には栄養を摂ることが推奨されています。

一方、炭水化物については運動直後に補給した方がいい場合というのがあります。

それは筋トレをするときに空腹でトレーニングを行った場合です。

空腹状態で筋トレをすると、体はエネルギーを作り出す必要があるため、タンパク質分解が素早く進みます。

そのため、トレーニング後に素早く糖質を補給することで、タンパク質が分解されてしまうのを防ぐことができます。

まとめ:栄養がわかると筋トレもより楽しくなる!

People who take supplements at the gym

今回は筋肥大のための栄養の基礎を紹介しました。

まとめてしまうと「たんぱく質大事だし、他の栄養も大事だよね!」という感じですが、なんで大事なのかを理解しておくことが大切です。

初心者のうちは、筋トレを実際どうやるか?という部分がメインになりがちですが、筋トレはタンパク質合成のスイッチを入れるもので、それだけでは筋肉は成長しません。

なので、筋肉が成長するにはどんな栄養が必要かということを理解しておくと、自分の筋肉をより効果的に成長させることができますし、理想の体型に近づきやすくなります。

今回の記事を参考にして、栄養をとり、筋トレをこれからも楽しみましょう!

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